議会報告 REPORT

平成11年度 第3回定例会

1. [質 問]
1)介助犬について
・介助犬の公的認知について
・介助犬の育成、訓練費用に対する財政支援について
2)防災訓練の在り方について
・避難所単位の防災訓練の推進について
・災害弱者に対する取り組みについて
3)チャイルドシート着用義務づけに対する課題について
・チャイルドシートの普及促進について
・チャイルドシートの貸与事業について
・チャイルドシートの購入に対する助成金について
4)本区内の国有地、都有地の有効利用について
・物納などをされた国有地の有効利用について
・本区内、都有地、中でも江戸川2丁目の都有地の今後の見通しについて
5)温水プールがある総合スポーツレクリエーション施設の設置について
2. [答 弁]
3. [第二質問]

副議長(佐々木 隆君)次に、16番、川瀬泰徳君
[16番 川瀬泰徳君登壇](拍手)

16番(川瀬泰徳君) 私は、当面する課題の中から、5点にわたり質問をいたします。新人でございますので、区長、執行部の前同きの答弁をお願いしたいと思います。
 最初に、「介助犬」について質問いたします。区長も既に御承知のとおり、本区においてこの介助犬が活躍しております。介助犬とは、障害を持った人を介助するために各個人の障害に合わせて訓練された犬で、40種類以上の指示語を覚え、例えば落とし物を拾う、エレベーターのボタンを押す、車いすを引っ張って動かす、着がえを手伝うなどの動作を行うことができます。
 この介助犬は、約30年前に英国で始まりました。現在、世界で1,874頭が仕事をしており、中でもアメリカでは1,000頭以上の介助犬が活躍しています。日本では現在10頭程度の介助犬が、障害を持つ人の手となり足となって日常生活を助け、社会参加の支援をしております。
 1992年3月、アメリカでの介助犬の活躍を知り、「介助犬が欲しい」と単身で渡米し、日本初の介助犬「ブルース」を連れ帰った千葉れい子さんは、我が江戸川区下鎌田にお住まいの方です。まさに「日本の介助犬の歴史は江戸川区から始まった!」と言えるのではないでしょうか。
  千葉さんは、「介助犬は介助だけではなく、心の支えにもなってくれる。この成果 を 多くの障害者に広げたい。自分の手で介助犬を育成・普及しよう」と、御自身が代表を務められる団体「TAC」の仲間と、駅頭でのチラシ配りや募金活動とともに、区立南篠崎小学校で250人の児童に対しての講演など、介助犬の普及のために尽力されております。
 しかし、客観的状況は厳しいものがあります。まず、介助犬は、盲導犬とは違い法的に認知がされておりません。盲導犬は、道路交通 法第14条で法的に認知されておりますが、介助犬は残念ながら法律的には『ペット』と同様であり、したがって、電車やバス、航空機などに同乗するには、同乗試験や事前審査にパスしなければならない。また、ホテル、レストラン、スーパーなどでは個別 の交渉が必要となり、断られることもあるという状況です。障害者が障害のない人と同等に生活し、活動する社会づくり・ノーマライゼーションの理念に照らせば、この介助犬に一日も早く法的認知をすべきであると考えます。
 全国的に介助犬が注目される中、厚生省は昨年、「介助犬の研究班」を編成いたしました。各自治体においても「国に先駆けて認定の基準をつくろう」という動きが出てまいりました。京都府は、府立施設への介助犬の同伴を認めました。これを受けて介助犬が活躍する宮津、城陽両市でも、市立施設への同伴が自由になりました。宝塚市では、全国で初めて介助犬のハーネス(胴輪)購入費に市の助成金支給を決めるとともに、介助犬「シンシア号」を小・中学生用の福祉の副読本に採用しました。
 このような状況にあって、「介助犬が活躍する江戸川区」、「福祉先進区」の本区においても、今以上に介助犬に対する『深い理解』と積極的取り組みは当然のことではないかと考えるところであります。  
 そこで、次の2点についてお伺いいたします。
 まず1点目は、介助犬の公的認知についてであります。
 介助犬は盲導犬とは違い、まだ国の法的認知を受けていないため、一歩外に出ると多くの障害があります。本区においては、千葉さんたちの運動で東部フレンドホールや船堀の総合区民ホールなどへの介助犬の同伴は認めていただいておりますが、さらにいま一歩、京都府を初めとする自治体のように、「国に先駆けて」介助犬を公的に認知し、区の公的施投には事前に知らせなしに同伴できる環境の整備を早急にすべきであると考えますが、区長のお考えをお聞かせください。
 2点目は、介助犬の育成・訓練費用に対する助成であります。介助犬の育成は、期間にして約1年半、費用については約150万円から200万円かかるということですが、ボランティアの皆さんは私費を投じ、また、募金活動によってその資金を工面 されております。「福祉先進区」の本区として、介助犬育成に対して何らかの財政的支援をすべきであると考えますが、区長のお考えをお聞かせください。

 次に、防災訓練のあり方について、提案を含めお伺いいたします。
 平成7年1月に発生した阪神・淡路大震災の惨状は、私たちの記憶にまだ強烈な印象として残っています。実はこの時とき私は、仕事で大阪におりました。この身であの地震を体験し、ボランティアで救援物資の輸送も行いました。あのときのすさまじい惨状は、忘れようとして忘れられるものではありません。
 また、先月17日にトルコ西部を襲った大地震は、死者15,000人を超すという大きな被害をもたらしました。私たち区議会議員も先日、義援金をトルコ大使館にお届けいたしましたが、被害者の方々に衷心よりお見舞いを申し上げるものであります。
 さて、本区の防災訓練は、江戸川区地域防災計画に基づき、各関係機関の協力のもとに大規模な総合防災訓練が実施されております。その内容は年々充実し、区当局を初め各関係機関の真剣な取り組みの姿勢は高く評価をするものであります。また、各町会・自治会など地域の自主防災組織も、区や消防機関などの指導のもと、さまざまな訓練を実施しておりますが、これらの地域での防災訓練に、次のような新たな取り組みを検討してみてはどうかと思うのであります。
 まず第1に、町会・自治会ごとに行う訓練の単位から、学校などの避難所を使用する地域を一つの単位 として、実際に即した訓練を行ってはどうかと思うのであります。地域防災計画では、避難所運営の具体的マニュアルを作成することになっております。そこで、各避難所ごとに、まず関係町会や自治会が中心となり、区がサポートしながら避難所運営協議会などを設置し、施設の利用計画などを決め、円滑な避難所運営ができるよう、具体的なマニュアルの作成と訓練を実施することが必要であると考えます。この避難所運営マニュアルについては、一部地域でこのような試みが始まっております。この動きをリードし、さらに積極的に取り組むべきであると考えますが、いかがでありましょうか。
 また、第2に、本区には障害者手帳交付の方だけでも13,000人を超え、さらに、ひとり暮らしや痴呆症の熱年者も多数おります。このマニュアル作成に当たっては、地域の災害弱者と言われる熱年者や障害者等の情報も取り入れ、それぞれの安否の確認と具体的な避難所の確保のための訓練もあわせて実施してはいかがでしょうか。
 区長のお考えをお聞かせください。
 次に、チャイルドシートについてお伺いいたします。
 今回、道路交通法の改正により、来年4月1日から、6歳未満の幼児を乗せて自動車を運転する際はチャイルドシートを着用することが義務づけられることとなりました。交通 事故が増加する傾向にある中、警察庁が過去5年間の6歳末満の交通事故被害者34,000人を分析した結果 、チャイルドシートを着用していた場合の死亡率は0.05%で、着用していなかった場合の約4分の1。このようにチャイルドシート着用の重要性は数字の上からも証明されております。未来を担う大切な子供たちを悲惨な交通 事故から守るには、このチャイルドシートの普及促進が欠かせません。今回の法制化で着用率が高まり、子供の死傷者数の減少が大きく期待されます。
 しかし、現在、チャイルドシートの義務化に伴ってさまざまな問題点が露呈され、6歳末満の子供をお持ちの御家庭では困惑が広まっております。1つには、価格が高いという問題です。チャイルドシートの価格は約40,000円から80,000円と言われ、中には100,000円を超えるものもあります。子供の多い御家庭では高額の負担となります。そして2つには、シートは子供の成長に合わせなければならず、6歳までには、乳幼児用、幼児用、学童用の3種類が必要になるという点。3点目は、子供が成長をして不要になったとさの処理問題です。
 我々公明党は、先日、多田区長に対し「チャイルドシート普及促進のための支援を求める要望書」を提出いたしました。この要望書を踏まえて、次の3点についてお伺いいたします。
 1点目は、チャイルドシート普及促進のための意識啓発のために、警察、交通 安全協会などとタイアップした説明会や、区庁舎、区施設等での展示などの実施をすべきであると考えますが、いかがでしょうか。
 2点目は、チャイルドシートは6歳末満の子供がいる御家庭だけではなく、例えば急にチャイルドシートが必要になることもあります。そこで、チャイルドシートは、少子化対策臨時特例交付金の対象となっており、本区として、区内の交通 安全協会を窓口として、期間を限定した短期の無償貸与事業や、そのほか何らかの措置を講じるべきではないか、このように思いますが、いかがでございましょうか。
 3点目は、チャイルドシート購入に対して「購入価格の3分の1、上限10,000円」の補助を行っている自治体もあります。本区においても、購入に対する助成金など何らかの法的助成措置の検討が必要であると考えますが、いかがでしょうか。
  区長のお考えをお願いいたします。
 次に、区内の「国有地」そして「都有地」についてお伺いいたします。
 空前のバブル経済が崩壊し、混乱した経済状況の影響により、物納などをされたいわゆる国有地が本区内にも約6.2ヘクタール、129件が点在しております。西瑞江3丁目のある物納された土地は、住宅が密集する中に『鉄線』で囲いがしてあり、雑草が茂り、小さな虫が発生し、ごみは投げ入れられる、犬や猫の糞はそのままと、非常に悲惨な状況であります。私も何度となく雑草の刈り取りと掃除の相談を受けました。先日、この物納された土地の前にお住まいの方から、「近隣に住む我々は大変に迷惑をしている。ここを子供たちが喜ぶ公園とか、原っぱにするとか、農園にするとかなど、方法はないのですか!」という訴えがありました。
 一方、面積の広い東京都が所有する土地も多くあります。中でも江戸川2丁目の清掃工場の横にある広大な2ヘクタールの都有地。この土地は、「下鎌田東地区計画」により中高層を主体とする住宅街区に指定されております。現在は平成14年までの使用と限定されて、東京都管理の駐車場となっておりますが、この土地は東部地区にとっては大変関心の高い公共用地であります。地域の住民の皆さんのために有効に利用されることが強く望まれております。
 そこで、2点お伺いいたします。
 まず1点目は、西瑞江3丁目の土地のような物納などをされた「国有地」のうち「空き地」として放置されているところについて、近隣の皆さんが有効に利用できるように、例えば子供たちの遊び場や広場として開放するために、国と積極的に話し合うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 2点目は、江戸川2丁目清掃工場横の2ヘクタールの都有地に関して、地域住民のために有効に活用するという観点から、東京都に対して何らかの形で話し合った経過があるのか。また、本区として、この都有地に対してどのようにお考えなのかをお伺いいたします。

 最後に、温水プールがある総合スポーツ・レクリエーソョン施設についてお尋ねいたします。   現在、本区を各事務所別に見てみると、温水プールがある区民施設は4カ所あります。4カ所目の小松川事務所管内には、本年1月に待望の区民施設がオープンいたしました。それぞれの事務所の管内にお住まいになる区民の皆さんは、健康増進のためにスポーツ・レクリエーソョン施設の完成は、大変な喜びであろうと思います。
 本区における温水プールがある区民施設の空白地区は、東部・鹿骨地区の2地域であります。特に東部地域は、フレンドホール建設に当たり、温水プールの要望が強くありましたが、残念ながら見送られました。中里前区長は、昨年2月の定例会において、我が党の質問に対し、「確かに温水プールの空白地帯がないわけではなく、今後の課題として検討してまいりたい」と答弁されました。
 そこで、多田区長にお伺いいたします。区民に公平な機会を与えるためにも、温水プール空白地域に、住民が熱望する温水プールがあるスポーツ・レクリエーション施設の設置がぜひとも必要であると思いますが、区長の前同きの答弁を期待いたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)

 

副議長(佐々木 隆君) 多田区長。  
〔区長 多田正見君登壇〕

区 長(多田正見君) お答えをしてまいります。
 介助犬についてでございますが、仰せのとおりでありまして、まだ法的認知がないがゆえに、いろいろといい機能を持ちながら活用されにくいということがございます。江戸川区も、現実にそのような場面 に直面しておりますので、弾力的な運用を図りまして、各施設で自由に出入りをしていただくと、こういうことにしているわけでございます。
 今後これは法的認知を待つことになりますが、こういうことに対しましても、積極的に状況を見まして支援をしていければというふうに思っております。
 それから、防災対策についてでございますが、地域の自主防災組織の育成等につきましては、もう20数年来の歴史を持ってやってきたことでございます。これまでの中心的考え方は、発生時の対応ということを中心にいたしまして、区、あるいは消防とともに地域の皆さんの意識啓発、あるいは実際の訓練を行ってきたところでございます。
 神戸震災以降、学校を中心とした避難場所の運営ということを含めましての新しい課題が出てまいりました。そういったことも地域によりましては芽が出ておるわけでございまして、これらを大事にいたしまして、次にはこの方向で、今、御質問にありましたような方向にある程度軌道修正をしていかなければならないというふうに考えておりまして、新たな課題だと思って取り組んでいるところでございます。
 災害弱者の問題につきましても、これは当然のことでございますが、いろいろ防災協定をつくり上げ、あるいは各機関の実賎的な策定を組む上でも当然の前提でございまして、いろいろと進めているところでございますが、まだまだ不十分な点があるかと思います。あわせまして、さらに徹底したものにしていきたいと考えているところであります。
 チャイルドシートの着用についてのことでございますが、主として3点のご質問がございました。
 1つは、普及啓発についての姿勢でございますが、これは当然そのように法制化されてくることでございますので、これを住民の皆さんに徹底していただかなければなりません。そのことにつきましては、あらゆる機会をとらえて進めてまいりたいと思っております。
 貸付事業と助成金については、いささかいろいろ問題点もございまして、特に助成ということにつきましては、これはドライバーの皆さんが当然用意していただくべきものだという考え方もあるわけでございまして、いろいろ車を持たない方とのバランスの上から言っても、直ちにそういうことができるかどうかということは、なかなかコンセンサスも得られないのではないかということが想定されます。
 貸付事業につきましても、貸付事業のためにどれだけのものを用意するかということは、いろいろ考えてみますと、かなり現実的には大変なことになってまいりますし、先ほどの、いわゆる車をお持ちになる方の義務としての問題もありますので、そういったことを考えあわせますと、問題のある課題だなというふうに理解をしております。
 それから、国有地、都有地の有効活用についてでございますが、最近、物納がいろいろふえておりまして、そういった土地が各地にございます。管理不良云々の問題につさましては当然、国・都に良好な管理を迫らなければなりません。これらをどのように活用するかということにつきましては、これは区の方の考え方といたしまして、公共のために使用するということが必要だと、その方がいいんだという結論が出たものについては、いろいろそのような方向で対処してまいりますが、そうでないものについて、どこまでもというわけにはまいりません。そういった一線を引いた上で、そのような対応をしていきたいと思っております。
 それから、江戸川2丁目の都有地の問題でございますが、いろいろ話題の土地でございますが、このあたりは住宅地としての都市計画決定がなされているわけでありまして、江戸川区といたしましては、平成9年に都の方とこのことについて協議をしておりますが、そのときには都民住宅など優良住宅を希望するということを都の方に申し入れているわけでございます。現在、東京都財務局が管理をしておりますが、将来東京郡としても、どのような利用を図るかということについて検討中だというふうに聞いております。
 温水プールの問題についてでございますが、平成10年第1回定例会で中里区長が答弁いたしましたことはよく承知しております。これも、すぐにとはいきませんが、課題とさせていただきたいと思います。
 以上で答弁を終わります。

 

副議長(佐々木 隆君) 川瀬泰徳君

16番(川瀬泰徳君)大変丁寧な、誠意ある御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  1点だけ、介助犬についてでございますけれども、実は本日は、私がお話しさせていただきました千葉れい子さん、そして介助犬のシーナ号が傍聴にお見えになっておられます。千葉さんたちのグループは、本当にボランティアの団体として、私費を投じて、障害者の皆さんのためにということで一生懸命頑張っていらっしゃる皆さんで、日本の介助犬の歴史はまさに本区から始まったと言えるというふうに私は確信をするんですけれども、江戸川区は介助犬が活濯する都市として、介助犬に対して深い深い理解をさらにお願いをして、財政厳しい折から大変だとは思うんですけれども、財政の支援等もお考えをいただいて、さらなる深い御理解をよろしくお願いいたしたい、このように思います。
 終わります。ありがとうございました。

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