議会報告 REPORT

平成12年度 第1回定例会

1. [質 問]

1)介護保険制度について
・PRの充実について
・本区独自の福祉施策について
・自立、要支援者に対する対応について

2)廃食用油のリサイクル事業について
3)「くつろぎの家」の更なる施設充実について
2. [答 弁]
3. [第二質問]
副議長(佐々木 隆君)次に、16番、川瀬泰徳君
 〔16番 川瀬泰徳君登壇〕(拍手)

16番(川瀬泰徳君)私は、通告に従い、当面する課題の中から3点にわたり質問をいたします.区長の前向きな答弁をお願いいたします。
 最初に、本年4月1日より施行されます介護保険制度についてであります。
 本区においても、組織の体制、審査会の設置、対象者の認定そのほか、すべての準備を整えつつその発足を迎えようとしております。こうした中で区民の介護保険に関する理解はまだまだ十分とは言えず、これが多くの不安につながっております。保険料はいくらになるのか、どのように徴収されるのか等、既に広報物などで周知のこととは思っていても、それが徹底され切っていないために、例えば医療保険と介護保険との違い、ケガや病気で長期にわたり医師の治療を受け、身体能力や行動能力が低下して不自由を感じている場合はどうなのか、実際に介護を受ける状態になったとき、どのような機関にどのような手続が必要なのかといった、自分自身の生活状況に即した疑問。また、もっと単純には、申請が必要なのか必要でないのか、申請の仕方がわからないといった方もおります。
 そこで、今後も「広報えどがわ」等で介護保険のPRを行う計画であることは伺っておりますが、PRのあり方について、制度そのものに対する周知徹底はもとよりのこととして、もっと区民の生活状況に合わせたPR、区民1人ひとりが介護保険にどうかかわりがあるのか、どう利用したらよいのかという視点、また、このようなケースの場合はどうなのかといったQ&Aに力を入れ、さらにわかりやすいPRを行っていくべきであると思いますが、いかがでありましょうか。
 第2に、介護保険と本区がこれまで培ってきた福祉制度との関係についてであります。
 まず、介護保険制度そのものについては、制度、体制、施設の未整備の問題など、まだまだ多くの検討課題があることは周知の事実であります。また、翻って考えれば、本区が福祉先進区と言われてきたのは、住民の生活や要望に即して自由な発想で熟年福祉施策を推進してきた賜物であると思うのであります。この両者の関係を考えるとき、2点、心配なことが出てきます。その1つは、今後の方向性として、介護保険という制度があるのだからという考え方が定着し、いわゆる介護保険の枠で縛られ、本区の自由な発想により推進されてきた熟年者施策が損なわれていくのではないか。また、新たな独自施策がなくなってしまうのではないかという不安です。今回示された組織改正案で、現福祉推進課が介護保険制度推進の担当になるという案が出されました。これは本区の介護保険制度に取り組む力強い決意のあらわれで、大変結構なことと思いますが、反面 、複雑な介護保険制度を実施していくことにとらわれ過ぎて、本来本区が培ってきた全国に誇るべき熟年福祉施策のいわゆる介譲保険制度から見ると、上積み・横出しの部分と、その周辺の福祉施策が自然な形で消滅していくのではないかと心配されます。もともと本区の中では、介護保険が導入されると福祉は後退するのではないかとの疑問が議会の場でも多く寄せられ、中里前区長も多田現区長も、福祉は絶対に後退させないと明言されている中で今日を迎えております。介護保険制度については数々の不透明な部分とともに、実施されればどのような問題が起こるかわからないということもあり、このようなときにはついついそのことにとらわれたり、あるいは忙殺されて、真に大切なことを見失いがちであります。介護保険を区民のために、区民の立場に立ち、心のこもった安心できる施策として実施することを望むとともに、上積み・横出し部分、例えば熟年者激励手当など、介護保険制度にはない本区独自の施策を絶対に後退させず、より発展させていかなければならないと思うのでありますが、区長のお考えを伺いたいと思います。
 第3に、現時点の施設入所者で介護保険制度の影響が出始めている方々についてであります。
 まず、特別養護老人ホーム入所者についてでありますが、1月末までの審査会では37人の方々が「自立」また「要支援」と判定されました。特養の入所者については一応5年間の猶予期間がありますので問題がないとは言われておりますが、施設の側では介護保険が導入されて、ただでさえ経営が大変な中、目安とされている要介護1から5のそれぞれの平均利用月額では経営が成り立っていかないと心配している上に、現行の措置制度で入所している自立・要支援の方々は、激変緩和のためにそれぞれ1日当たり8,342円で5年間維続することができるとなっております。現実的問題として、施設の経営という観点からすると、自立・要支援の方よりは介護サービス単価が高い方を求めるという状況が出てくるのではないかと考えます。したがって、直接的打診ではなくとも、何らかの形で退所を促されかねないという問題につながっていくことが予想されます。また、老人保健施設について、現在入所中の方から「介護保険の判定により、施設から退所するように言われ、大変困惑している。何とかならないか」との相談もありました。現在の老健施設は特養ホームの待機施設となっている色彩 が強く、しかもひとり暮らしで身寄りのない人だとか、自宅では生活できない事情を抱えた方々が多く入所している現状があり、また老健施設に入所し、状態が上向きになっているときに判定を受け、その結果 「要支援」となった方で、在宅介護となったときはどうしようと大変に不安を持っている方々もおります。この特養、老健それぞれの問題に対して、区長はどのように考え、どのように対処していくおつもりなのか、お考えをお聞かせください。
 あわせて、「熟年者の自立を支援する」という介護保険制度の基本理念からも、このように介護保険制度の谷間になるような方々、「自立」「要支援」と認定された方々に対する施策を充実することこそ最も重要であると考えます。したがって、今後は施設退所者支援事業として、グループホームやケアハウスなどの建設・充実がぜひ必要であると思いますが、区長の見解をお伺いしたいと思います。
 次に、環境を守る一方策として、提案を含め質問させていただきます。
 私ども公明党は、2000年を「循環型社会元年」と位置づけ、リサイクルに加えて廃棄物の発生を抑制するリデュース、そして再利用をさらに進めるリユース対策の推進が大事であるととらえています。また、3ゼロ社会の実現、つまりムダ、ゴミ、エゴの3つをなくし、すべての生命が尊重される社会を目指すことも再三、提言をさせていただいているところであります。本年4月からは清掃事業が区に移管されます。昨年10月からは資源ごみの回収が新しい収集形態で、住民の皆様も積極的に加わって、スムーズに事業が進んでいると確信しております。その中から区民の皆様より、廃食用油と未使用油、つまり賞味期限切れ油の処理について、その活用を望む声が多く出されております。
 食用油は我々の食生活の中でなくてはならない食品です。この食用油の処理は凝固剤で固めたり、紙などにしみ込ませたり、薬品などを加えて石けん状にすることもありますが、大半は可燃ごみに出すか、また下水道に流すかの方法をとっています。食用油を凝固剤を使って囲め、燃えるゴミとして出した場合、燃焼カロリーが高く、炊却炉に負担がかかり過ぎると言われます。また、流しに捨てると、家屋の配水管や下水道、浄化槽を詰まらせる原因になります。したがって、このままでは下水道施設に負担をかけることを初め、河川や海の汚濁にもなり、ゴミの減量 にも逆行するものであります。さらに、資源を大切にするという循環型社会を目指す上から、この廃食用油の処理について新しい方法を実施するときが来ていると思います。そのためにも区民と関係事業者、そして行政が協力してさまざまな取り組みが必要であります。すなわち、家庭や事業所から出る使用済みの食用油、賞味期限の過ぎた油を回収し、肥料や石けん原料にリサイクルする。さらに、従前のものよりはるかに安全なディーゼルエンジンの燃料へと循環させていくべきであると考えます。
 京都市では、厚生省、農水省と連携し、8ヵ所のモデル地域で廃食用油を回収し、市バスやごみ収集車の燃料に使用しています。この燃料による排ガスには硫黄酸化物はほとんど含まれず、二酸化炭素も軽油に比べて12%減というクリーンエネルギーであります。また、23区内でもこの回収リサイクルに取り組んでいるとこ ろがあり、石けんや肥料化、ディーゼルエンジンの燃料化も具体的に事業化している現状を先日詳しく見てまいりました。
 そこで、環境問題に大きく力を注ぐ江戸川区として区長にお尋ねいたしますが、この廃食用油のリサイクル回収システムづくりに、ぜひ積極的に取り組むときが来ていると思いますが、決意のほどをお聞かせください。

 最後に、区立「くつろぎの家」についてお伺いいたします。
 近年において急速に高齢化社会が進むと言われて久しくなりました。本区においても本年1月の年齢別 人口内訳を見ますと、60歳から69歳までの方が66,636人、70歳から79歳までの方が31,897人、80歳以上の方が13,513人とのことで、60歳以上の熟年者の皆さんの合計は112,412人となり、江戸川区の人口の約18%を占めます。
 本区の熟年福祉政策は「あたたかい心のふれあう福祉のまち」をそのコンセプトとして、健康づくりのためのリズム運動やカルチャーセンター事業の推進、熟年人材センターの充実などさまざまな施策が講じられております。熟年者相互の親睦を図る「くすのきクラブ」への助成、趣味や教養を高める「くすのきカルチャー教室」、健康の増進と仲間づくりを目的とするリズム運動の推進など、熟年者の皆さんが年齢を問わず生きがいを持ち、健康で気力にあふれた生活が送れるようにとの数多くの政策の実行は、「福祉の江戸川区」として高く評価されているところであります。私も地域を歩く中で熟年者の皆さんからいろんなお話をお聞きいたしますが、最近多くの方々から、くつろぎの家に対する要望をお聞きします。
 くつろぎの家は昭和42年5月、「いこいの家」として、清掃工場の余熱を利用し、本区にお住まいの60歳以上の熟年者の皆さんに、お風呂で温まり、ゆっくりとくつろいでいただく施設として設立されました。以来32年間、昭和62年に増改築し、当初は4,5人しか入れなかった浴槽も大きくなり、利用者の皆さんには大変喜ばれている施設であります。平成9年度の利用者数は延べで151,505人、10年度は150,049人と、多くの皆さんが利用されております。1日の利用者の年齢別 では65歳から79歳までのお方が最も多く、全体の67%を占めております。これら利用者の方々からの御要望の多くは、くつろぎの家のお風呂について、1つは、現在の男女各83.2・の浴室に21.3・の浴槽となっておりますが、近年利用者も多いことから、やや手狭である。2つには、お風呂でゆったりということももちろんありがたいが、それだけではなく、楽しみながら健康増進・健康回復ができるような、マッサージ効果 がある浴槽や、関節に負担のかからない運動ができる浴槽、解放感のある露天風呂など、現在の設備のさらなる充実をという要望が多くあります。
 「老化は足から来る」とよく言われますが、温水を利用した水中ウォーキングは水の浮力によって体重の負荷が少なくなるため、ひざや腰への負担がかからず自由に歩け、腰痛やひざの痛みの予防にもなり、お年寄りや腰痛の方に大きな効果 があるということは巷間よく知られているところであります。他区では健康増進を目的として、清掃工場の余熱を利用し、気泡湯、打たせ湯、サウナ、ジャグジー、ジェット水流、歩行浴槽等9種類の温水施設を持つ健康ハウスを運営しているところもあります。
 本区内において区民館、コミュニティ会館でお風呂があるところは7カ所ありますが、清掃工場の余熱が利用できるという大変大きな利点を持つこの「くつろぎの家」、今後とも利用者の増加が予想されることから、現在の「お風呂でゆったりと温まる」という観点から、さらに一歩踏み出し、多様なニーズにこたえ、健康増進・健康回復に役立つお風呂がある区民施設へのさらなる充実が必要であると思いますが、区長のお考えをお聞かせください。
 以上で私の第1回目の質間を終わります。(拍手)

 

副議長(佐々木 隆君) 多田区長。
〔区長 多田正見君登壇〕

区 長(多田正見君) 介護保険の問題からお答えをさせていただきますが、区が行っております介護保険PRがこれでいいかどうかということにつきましては、さらに改善・工夫を加えていかなければならないことだと思っております。なかなかややこしい制度でありますし、理解しにくい面 もありまして、そういったことがよくわかるようにしていかなければいけないと、そのように思っているわけであります。あわせて、先ほど申し上げましたように、単なるPRだけでは十分理解ができないということもあろうかと思います。そういったことにつきまして、気軽に区にも相談いただいたり、あるいは各特養に設けます窓口に御相談いただいたり、いろいろそういう事務的な媒体もあるわけでございますので、御自身のことにつきましていろいろわかりかねるという問題につきましては、ぜひそのようなこともしていただきたいと思っているわけであります。できるだけわかりやすいように、ご理解をいただいて安心していただきたいと思っております。
 それから、介護保険によりまして従前のサービスが低下するということはあってはならないということは常々申し上げてきたところでごどいまして、介護保険がスタートいたしますが、従前行っておりました区の介護事業というものは、介護保険が適用にならない方につきましても、これまでのサービスを打ち切るとかそういうことがないようにしたいと考えているわけでありまして、そのために、予算にもお示しいたしましたが、生活支援サービス事業というのを12事業、一応のグループとして設けまして、ここに10億以上の予算を一応投入いたしまして、それらのサービス確保を図る、こういうことでございます。その他、独自の家庭介護支援事業というものも、例えば激励手当の問題もそうでございますが、住宅改造、緊急介護サービス、そういったものも介護保険とは別 枠で残している事業でございます。
 ただし、これらについて全くこのとおりでいけるかどうかということにつきまして1つ申し上げれば、激励手当の問題などは昨日からも申し上げておりますとおり、いろいろ厳しい課題がございますので、こういったことにつきましては状況を明らかにしながら、またいろいろと御相談しなければならない課題だというふうに申し上げているわけでございます。とにかく、当面 この介護保険がスムーズにスタートいたしまして、その周辺事業もこれまでと同様に続けられるという体制をできるだけ組んでまいりたいと思っているわけであります。
 それから、自立・要支援者に対する対応についてのお話がございました。今、施設に入所している方々の5年間の保障の問題とか、あるいは老健施設の方々の当面 は健康保険から適用し、医療費として支給される、こういうようなこともございますが、その後どうなるかという不安もあるかと思います。こういったことに対しましてのフォローもいろいろ考えていかなければならないことであります。
 介護保険そのものにつきましては5年後に見直しが行われるわけでありまして、まだこれは初めてやる事業でありますので、いろいろな問題が出る可能性がございます。そういったことをまた踏まえまして新たな改善を加えるという余地もあるわけであります。横出し・上乗せのこともいろいろ議論ではありますが、江戸川区はとりあえずコンパクトにいたしまして、その対象外事業はすべてこれまでの区の施策で行っという方針をとっておりますので、全体の堆移につきましては、さらに将来的にも見直しの時期があろうかとは思いますが、当面 はそういうことで皆さんに御心配のないようにしていきたい、こういうことであります。
 ケアハウスとかグループホームも当然必要なものでございまして、こういったことの整備にも全力を挙げていかなけれはばならないというふうに思っているわけであります。
 それから、今度は環境問題と申しますか、廃食用油のリサイクルの問題でございますが、確かに、御質問にありましたようなそのような時期に差しかかっていると思います。幾つかの自治体でそのようなことに踏み込んでいるところもあるわけでございまして、これは新しい課題としてぜひ取り上げながら取り組んでいかなければいけない。特に、事業者が出しますものは専門業者が回収するということもありますし、今、学校などもそういうことで専門の業者がすべて回収しているわけでありますが、一般 家庭のことが問題でございまして、ここにどういうシステムを入れていけるかということがあるかと思いますが、研究課題とさせていただきたいと思います。
 くつろぎの家でございますが、大変多くの方々に御利用いただきまして、大変うれしいことだと思いますが、施設も確かに時代がたちますと古くなってまいりますし、また今日的な考え方からして、もう少し快適なものにならないか、いわゆる楽しいものにならないかというような要素もいろいろあると思います。直ちに今の施設を全面 的に改修するということが経済効果としていいかどうかということはありますが、しかし目標といたしましては、皆さんに本当に喜んでいただけるような快適な施設として存在するということが一番いいことでございますので、その方向でこれからも考えさせていただきたいと思います。
 以上です。

 

副議長(佐々木 隆君) 川瀬泰徳君。

16番(川瀬泰徳君)大変御丁寧な御答弁をいただきまして、本当にありがとうございました。
 1点だけ要望といいますか、お話しさせていただければ、介護保険制度の件で、本区独自の福祉施策を後退させないというこの件について、先ほど区長の方からも御答弁いただきましたけれども、今回の定例会での区長の最初のごあいさつの中でも、東京都における福祉施策の見直しを、区として新年度は福祉水準を堅持するが、確実に厳しい実態を示しており、今後のとるべき方向を見出したいと、こういうようなお話もございますし、昨日の本会議での答弁、そしてまた今日の答弁もお聞きしておりますと、大変恐縮ながら、今年度は何とか必要な事業は残し、福祉施策は堅持するけれども、次の年度は後退しかねない、その可能性も大であるというように言っていらっしやるように聞こえてならない。今も御答弁をいただいて、「ただし」という言葉が入ってくるわけでございます。この辺は区長のむしろ誠意のある姿勢ではないのかとは思いますけれども、1年生議員の私がこんなことを言うのは大変僭越な限りなんですけれども、このような現在の置かれている状況、大変財政も厳しい、社会情勢そのものが大変厳しい状況の中にあって、我が江戸川区として、福祉の江戸川区というふうに、全国にも誇れる福祉を堅持してきたこの江戸川区において最も大切なものは何かといいますと、私が思いますのは、やはり区長の力強いリーダーシップ、これが最も大事なのではないかと。福祉の江戸川区を断固堅持するというこの力強いりリーダーシップをもとに区を引っ張っていくという、これがこれからの時代に大事なものではないのかと。大変財政も厳しいという状況であれば、やはり行政改革とか、そしてまたボランティアの部分や共助の部分で、いろんなことで検討しながら今後も考えていかなきゃならないということもあるわけで、やはり力強いリーダーシップを今後ともよろしくお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。


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