べてるの家は北海道の浦河町にあります。精神障がいを抱えながら生きている当事者の社会的な支援体制の乏しさや地域経済の弱体化を見据えて、「地域のために、日高昆布を全国に売ろう」という起業をし、様々な障がいを持った当事者が活動に励むようになりました。

精神障がいの方々の支援はまだまだ少ないと思います。そうした中で、「べてるの家」のみなさんの活動は、大変参考になると思い、参加させていただきました。

「当事者研究」とは一見むずかしそうな言葉ですが、自分が抱える生きづらさや日常生活の出来事の中からテーマを見つけて、自分なりの助け方を自らが研究するというもので、大変ユニークなとらえ方だと感心しました。当事者の生活経験から生まれた自助（自分を助け、励まし、活かす）の必要性を実感しました。また、当事者どおしがピア・サポートに取り組んでいるということ、人とのつながりの中で頑張っていること、大変すばらしいなと思いました。

様々な事例をうかがい、日夜、幻覚・幻聴がおこる、パニックになる、自分がだめだだめだと思うよいう繰り返しの中で、どれほど当事者の方々が苦しんでいるか、また、その苦しさを自分のやり方で乗り越えようと努力する姿、互いに支え合おうとする姿に、胸打たれました。

「べてるの家」の理事長である向谷地宣明氏の講演は、根底に、どこまでも人を見守る温かさがにじんでおり、大変勉強になりました。

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